Calling 第35話 初めてのケンカ -4-

 

 

――翌日。

 

あまりの大きな雨音で目が覚めた。

カーテンを開けて窓の外を見ると物凄い土砂降りだった。

 

(うぉっ)

 

テレビの天気予報も今日は一日中雨の予報だ。

降水確率も90%。

昨日、学校から帰って作った“特大降れ降れ坊主”が効いたみたいだ。

土曜日の今日は授業も四時限で終わる。

これなら鈴と一緒に帰れる確率も高い。

 

 

     ◆  ◆  ◆

 

 

そして、四時限目が終わっても雨はまったく止む気配を見せず、

“特大降れ降れ坊主”は寧ろ効き過ぎる程の効力だった。

 

HRが終わって鈴を迎えに昇降口に行くと、ちょうど鈴が二階から下りてきた。

 

「あ、先輩」

鈴は俺を見つけるとにこっと笑った。

だが、しかし……一つだけ気になる事が。

 

「ちゎっす」

一緒に岩井が下りてきたのだ。

 

「……おぅ」

(なんで、こいつが……)

といっても、鈴と岩井は同じクラスなんだから別に一緒に昇降口まで下りて来る事くらい

おかしな事じゃない。

たまたま教室を出るタイミングが一緒になっただけだろう。

 

「じゃ、小峯さん、明日一時に」

岩井はそう言うと鈴に手を振って帰って行った。

明日は日曜日。

岩井と何か約束でもしたんだろうか。

 

「明日、岩井とどこかに行くの?」

 

「はい、今度テニス部のユニフォームとチームジャージを新しく作り直すことになったんで、

 そのカタログ集めを明日岩井君と一緒に行く事になったんです」

 

「ふーん……」

でも、二人で行く事ないじゃん。

 

「……俺も鈴と会いたい」

ちょっと拗ねた言い方をしてみた。

 

すると鈴はクスッと笑った。

「岩井君とはデートじゃないですよ?」

 

「わかってるけど」

 

「それに二人だけって訳じゃないですから」

 

「え、そうなの?」

 

「はい、同じ一年生の磯川君とノリちゃんも一緒です」

鈴はそう言うとだから心配しないでという風に笑った。

 

 

     ◆  ◆  ◆

 

 

――翌日。

最近ずっと勉強ばかりしていたから気分転換に外へ出た。

“特大降れ降れ坊主”をぶら下げたままなのに青空が広がっている。

昨日の土砂降りが嘘のようだ。

 

(あー、なんでこんな天気のいい日に俺一人で歩いてんだろ?)

特に何か買いたいわけでもないけれど街をぶらぶら。

しかし、その隣に鈴はいない。

 

そして、何気なく道路を挟んだ反対側の歩道に目を向けると、

鈴と岩井が二人で歩いていた。

 

(あ?)

だが、昨日一緒に行くと言っていた磯川達の姿がない。

鈴と岩井の前にも後ろにも、テニス部の他の部員達はいなかった。

 

(なんで……?)

四人で行くって言っていたから安心していたのに。

 

鈴、嘘付いたのかな――?

 

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