Calling 第37話 まさか……S? -4-

 

 

「あー、キティちゃんだぁ♪」

和泉沢先輩からのプレゼントはハローキティのリストバンドだった。

真っ白でフワフワなコットン生地に薄いピンクの刺繍でハローキティの顔が

小さくワンポイントで入っている。

 

「それだったら部活とか試合の時にも使えるかなーっと思って」

 

「はい、ありがとうございます……て、先輩、もう食べてるんですかっ?」

私が顔をあげると和泉沢先輩はさっそくチーズクッキーを食べていた。

 

「うんっ、おいひぃ♪」

モグモグとクッキーを食べる先輩はまるで子供みたいに可愛かった。

昨日、あんなに怖い顔で怒ってたのが嘘みたいだ。

 

「先輩、お弁当食べたんですよね?」

 

「あぁ、食ったよ。でも、デザートは別腹ってよく言うじゃん?」

 

「それって、女の子ならわかりますけど……。それに先輩って甘い物

 好きだったんですね」

 

「ケーキはあんまり食べないけどチョコとかクッキーはわりと食べるよ」

 

「じゃあ、今度また作って来ますね」

そう言うと先輩は嬉しそうに「うんっ♪」と笑って頷いた。

 

「あ、そういえば膝大丈夫か?」

 

「はい、昨日病院で貰った薬を塗ったら、ちょっと楽になりました」

先輩は昨夜、病院から帰った後も心配して電話をくれた。

いつもは電話もメールも勉強の邪魔になっちゃいけないと思って控えているから

電話をくれた時はすごく嬉しかった。

 

嬉しくて胸がいっぱいになった――。

 

「今日は部活出るのか?」

 

「はい、病院の先生からは球拾いくらいなら大丈夫だって言われたので、

 部活には出ようと思います」

 

「そっか、出ないなら一緒に帰れると思ったんだけどな……残念。

 でも、無理はするなよ?」

心配そうな顔をした先輩。

 

「はい」

私がそう返事をすると和泉沢先輩はまた柔らかい笑みを浮かべて優しく頭を撫でてくれた。

その感触にものすごく安心感を覚える。

(このまま時間が止まってくれたらなぁ……)

そんな事を思っていると……、

 

「あー、ずっと鈴と一緒にいたいなー。時間止まんねぇかなぁー?」

先輩も同じ事を考えていた。

 

それがなんだがとっても嬉しかった――。

 

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