Calling 第39話 Happy Birthday -2-

 

 

俺と鈴は駅前のコーヒーショップの前で待ち合わせをした。

 

駅までは自転車で十分くらい。

だけど、早く鈴に会いたくて全速力で自転車を漕いでいるのに、

いつもよりやけに道のりが遠く感じる。

 

 

     ◆  ◆  ◆

 

 

「はぁ、はぁ……鈴っ」

コーヒーショップの前には既に鈴の方が先に来ていた。

そういえば鈴の家は駅から自転車で五,六分だって言ってたっけ。

 

「どうしたんですか? そんなに息を切らして」

 

「はぁ、はぁ……早く会いたかったから、人生MAXの力で……漕いで来た」

 

「もぅー、また先輩ったらー」

鈴はそう言うとキャハハっと笑った。

 

(いや、マジなんだけどっ)

 

 

     ◆  ◆  ◆

 

 

コーヒーショップに入ると中は意外と混んでいた。

クリスマスだからか、カップルばっかり。

どちらかというと俺達みたいな高校生とか大学生が多かった。

 

「それにしても昨日はびっくりしたよ。まさか美夏さんの彼氏が

 鈴の義理のお兄さんだったなんて。てか、鈴ってお姉さんいたんだ?」

 

「はい。後、兄もいます」

 

「え、何人兄妹?」

(まさか大家族?)

 

「三人です。一番上がお姉ちゃんでその次がお兄ちゃんで一番下が私です」

 

「へぇー」

確かに鈴は“末っ子タイプ”。

というか“妹タイプ”と言った方が正解かな?

 

「先輩は何人兄弟なんですか?」

 

「俺は一人っ子、だから兄弟がいる人が羨ましいって思う時があるよ」

 

「でも、何でも買って貰えるからいいじゃないですか。私なんて子供の頃は

 全部お姉ちゃんのお下がりばっかりでしたし。

 たまにお兄ちゃんのお下がりまで回ってきてました」

 

「お下がりなら俺もあるよ? 親戚の兄ちゃんもちょっとだけサッカーやってたから

 大きくなってサイズが合わなくなったサッカーウェアとかスパイクとか貰ってたし。

 小学校の頃はだいたいお下がりを使ってたよ」

 

「えー、なんか意外です」

 

「だけど流石に兄弟喧嘩とかはした事がないなー」

 

「私も兄弟喧嘩はあんまりないです。お姉ちゃんは十歳も上だし、

 お兄ちゃんも六歳上だから喧嘩になるような事がなかったんですよ。

 というか、相手にされてないって感じでした」

 

「あはは、それは相手にされてないんじゃなくて、それだけ歳が離れてたら

 テレビのチャンネル争いにしても、おやつの取り合いにしても

 可愛い妹に譲ってあげようって気になるよ」

だって、鈴は妹じゃなくても本当に可愛いもん。

 

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