言葉のかわりに−第二章・Epilogue−

 

 

年が明けた1月1日。

唯と和磨は二人で一緒に明治神宮へ初詣に行った。

さすがに参拝客が毎年、全国一位になるだけのことはある。

「わ・・・相変わらず、すごい人・・・。」

唯はあまりの人の多さに圧倒された。

「唯はちっちゃいから、はぐれると見つけるの大変そうだな。」

和磨はそう言って悪戯っぽく笑った。

「え〜っ、かず君ひどいー。」

唯は頬をふくらませ、和磨を軽く叩いた。

「あはは、ごめん、ごめん。」

和磨は唯の頬をツンとつついて、

「はぐれても、すぐに見つける自信はあるけどな。」

そう言って唯の頭をポンポンと優しく撫でた。

そして和磨は自分の腕に唯の腕をさっと通させると

優しく微笑んで「行こう。」と言った。

 

唯と和磨は本殿まで腕を組んで歩いた。

お賽銭を投げ入れ、二拍手一拝して願を懸ける。

二人とも同じ願い事・・・。

“去年よりも、もっと一緒にいられますように・・・。”

たった一つしかない願い事なのに、二人ともなかなか顔をあげない。

 

ようやく二人は同時に顔をあげて見合わせると

再び腕を組んで歩き始めた。

 

・・・はぐれないように。

 



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