言葉のかわりに−第一章・Prologue−
「ごめーん、唯先行っててーっ!すぐ追いかけるから。」
「うん、わかった。ぼちぼち行ってるねー。」
この会話がだいたい毎朝のやり取り。
朝が苦手な香奈は、いつも迎えに来た唯を待たせては結局、先に行かせる始末・・・。
唯もいい加減、香奈を置いて勝手に行けばいいのだが、そこは唯のお人好しの性格なのか、
幼馴染と言う事もあってなのか・・・毎朝きっちり香奈を迎えに行っている。
お互いまだ幼稚園に通う前、いわゆる公園デビューをした時から母親同士が仲良くなり、
自然と毎日一緒に遊ぶようになった。
そして当たり前のように同じ幼稚園に通うようになり、
小学校も中学校もクラスは違ってもいつも一緒に登下校した。
そして高校もまた同じということで一緒に登下校している。
仲は良くても性格はかなり違う。
・・・というか、真反対。
唯はどちらかというと、おとなしいタイプ。
身長も152cmしかなく、華奢で小柄。
一方、香奈は結構物事を何でもハッキリ言うタイプ。
姉御肌。
身長はズバ抜けて高いわけではないがスポーツ万能。
性格が真反対だから飽くことなく一緒にいられるのだと香奈は言う。
唯にはさっぱりわからない・・・。
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