Calling 第32話 サイン -2-

 

 

「朋ちゃん、宮田先輩、メール喜んでくれたみたいだよー」

 

「ホント?」

 

「うん、和泉沢先輩がそう言ってる」

 

「でも、まだ返事来ないんだよねー……」

朋ちゃんはそう言うと、握り締めている携帯に視線を落とした。

 

 

……RR、RR、RR……――、

 

それからしばらくして、朋ちゃんの携帯にメールが届いた。

 

「……あ、宮田先輩からだ♪」

朋ちゃんはメールを開くと、とても嬉しそうな顔をした。

 

そして、私の携帯にも和泉沢先輩からメールが来た。

 

−−−−−

今からコートに出るよ。

また後で(^-^)

 

Daichi

−−−−−

 

ふと顔を上げると、さっきまでフィールド上にいた十数人の整備スタッフは

いつの間にか居なくなっていてすっかり整備が終わっていた。

 

私と朋ちゃんは携帯をマナーモードにしてバッグに仕舞った。

すると、監督兼顧問の小川先生を先頭に部長の高津先輩に続いて和泉沢先輩達が出て来た。

 

いよいよ、始まる……和泉沢先輩の高校最後の試合。

 

(どうか、ベスト8に入れますように……)

そう祈りながら和泉沢先輩を見つめていると、先輩もこちらに視線を向けていて

目が合った気がした。

 

(先輩、私がどこにいるのか気が付いてくれたのかな?)

 

 

間もなくしてスタメンの和泉沢先輩達が軽い柔軟やストレッチで体を解し始めた。

 

「宮田先輩、スタメンじゃないんだ……」

ユニフォームの上にジャージを着てベンチに座っている宮田先輩に視線を移した朋ちゃんが

がっかりしたように呟いた。

 

「でも二年生だし、ベンチに入ってるって事は後で交代するのかもよ?

 だって、一年生はベンチにも入ってない人もいるし」

交代メンバーにもなっていない一年生はベンチのすぐ後ろの観客席にいた。

ベンチに入っている一年生もいるけれど、先輩にタオルやドリンクを用意したりとほとんど

雑用係みたいなものだった。

 

ストレッチの後、小川先生からメンバー全員に集合が掛けられた。

 

「ほら、宮田先輩も小川先生の指示を聞いてるって事は交代メンバーなんだよ」

 

「うん、そうだね」

嬉しそうな顔で宮田先輩の姿を見つめる朋ちゃん。

 

そうして――、

 

小川先生の話が終わった後、部長の高津先輩がみんなを集めて円陣を組んだ。

 

(和泉沢先輩、頑張って下さい……っ!)

 

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