Calling 第17話 陰謀 -1-

 

 

――数日後。

 

「サッカー部、今日は遅くまでやってるねー」

期末考査が終わった日、部活が終わって織田先輩と一緒に部室を出ると、

グラウンドではまだサッカー部が練習していた。

 

「期末で部活がなかったからですかねー?」

 

「それもあるかもだけど、試合が近いんだってイズミが言ってたからねー」

 

「そうなんですか」

サッカーコートに目を向けると和泉沢先輩がボールを追いかけていた。

 

汗だくになって。

 

泥だらけになって。

 

(試合、いつかな? 見に行きたいな)

 

「ところで、鈴ちゃん」

 

「はい?」

 

「この間イズミが言ってたんだけど、あいつ中学の時もよくサッカーボールを

 テニスコートに飛ばしてたんだって?」

 

「んー、確かにテニスコートの隣でサッカー部が部活してたから、

 たまにボールが飛んできてましたけど、和泉沢先輩が取りに来た記憶がないんですよ」

 

「それはよっぽどイズミの印象が薄かったのかしら?」

織田先輩はプププッと笑った。

 

でも、そうじゃないと思う。

和泉沢先輩の印象が薄いとかじゃなくて多分きっと私の記憶力が悪いだけ……かな。

 

 

     ◆  ◆  ◆

 

 

――翌日。

部活の後、私は昨日と同じ様に織田先輩と帰っていた。

 

「鈴ちゃん、今週の日曜日って暇?」

すると織田先輩がサッカーコートの中にいる和泉沢先輩を見つめながら口を開いた。

 

「はい、空いてます」

私も同じ様に和泉沢先輩に視線を移す。

 

「じゃあ、日曜日サッカー部の試合があるから一緒に応援行こう?」

 

(えっ)

 

「この前、イズミがテニス部の応援に来てくれたしね。

 そのお返しで行こうと思うんだけど一人じゃ行き難くて……だから、一緒に行こ?」

 

「は、はい」

(そっか……この間の試合、和泉沢先輩来てくれてたって言ってたっけ)

 

本当はきっと織田先輩の試合の応援だったんだろうけれど、

和泉沢先輩が応援に来てくれたのには変わりはない。

 

今週末のサッカー部の試合だって和泉沢先輩は織田先輩に応援に来て欲しいって思って

言ったんだろうなー……。

そう思いながら「一緒に行こう」と言ってくれた織田先輩の言葉に私は甘えてしまった。

 

和泉沢先輩に逢いたいから――。

 

 

     ◆  ◆  ◆

 

 

――そして、日曜日。

織田先輩と一緒に試合会場のスタジアムに行くと、和泉沢先輩達が控室からコートに出てきた。

 

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