Calling 第29話 お兄さんと中国少女 -2-

 

 

「鈴ちゃん、可愛いっ♪」

鈴に見惚れてボーッとしている俺とシゲを他所に織田ちゃんはさっそく

携帯のカメラで撮っていた。

 

チャリラリラーン……、シャコーン、チャラ〜ン……

 

しかし、よく聞いているといろんなシャッター音がしている。

 

「げっ」

周りを見回すと他の客も鈴を撮っていたのだ。

 

「え、と……ご注文、は?」

その事に気がついた鈴は顔を真っ赤にして俯きながら言った。

 

「あたし、肉まんとあんまんと後、ウーロン茶」

 

「え、肉まんとあんまんて……どんな組み合わせ?」

シゲはすかさず織田ちゃんに突っ込みを入れた。

 

「肉まんはフツーにご飯であんまんは食後のデザート♪」

にんまり笑って答える織田ちゃん。

しかし、時間はまだ十一時にもなっていない。

 

……昼飯にしては早過ぎるだろ。

 

「イズミと高津君は?」

「んー、俺は豚角煮まんとカレーまんとウーロン茶」

「俺は海鮮まんとピザまんとウーロン茶」

そして俺とシゲもなんだかんだと言って半分昼飯のようなオーダーをした。

 

 

「お待たせしましたー」

数分後、鈴がオーダーした物を持って来てくれた。

 

「すいませーん、オーダーお願いしまーす」

しかし、すぐさま別のテーブルに呼ばれた。

 

(てか、鈴以外にも手が空いてる奴がいるのに……)

 

鈴を呼んだ客は俺達と同い年くらいの男二人だった。

私服を着ているという事は別の高校の奴らだろう。

鈴は今、一応“店員”だから仕方がないと思いつつ、他の男と話しているのを見るのは

やはりあまり気分がいいものではない。

 

「ウーロン茶二つと肉まん二つ。後、一緒に写メいいかな?」

しかも、その男共はどさくさに紛れて鈴と一緒に並んで写メまで撮ろうとしている。

 

「え……あ、あの……」

鈴は相変わらず“嫌”だとは言えないでただ俯いた。

 

「おい、大地、いいのか?」

シゲは少し心配そうに言った後、鈴に視線を向けた。

 

「良いも悪いも……」

店内には“撮影禁止”なんて書かれていないし、さっきもバシバシ写メを撮ってた奴らもいたし。

てか、写メを撮りまくっていた内の一人が俺の目の前に座っているけど。

 

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